未来予測レポート エレクトロニクス産業2011-2025

田中栄 著 

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内容紹介

敵は中国やインドではない


 自由化・グローバル化という流れの中で金融ネットワークや情報ネットワークの整備が進み、どの地域で
あっても同じような環境でビジネスが展開できるようになった。そこにデジタル化、ネットワーク化といっ
た大きな変化が重なり、世界の基本構造を変えようとしている。それがどのような結果をもたらし、どのよ
うな未来を招来しようとするのか。それをどこまで正しくイメージできるかが、激動の渦中に置かれる企業
にとって、極めて重要な経営課題になった。


 まず注目しなければならないのは、世界勢力の変化である。「経済のフラット化」によって新興国の経済
成長が一斉に始まり、広がる一方だった経済格差が今度は逆方向に回り始めた。技術、資金、情報という
「ものづくり」に必要な要素がすべて揃ったことで、新興国は先進国に頼らず自力で工業製品を生産できる
ようになったのである。その仕事は単純な組み立て作業や部品生産から始まり、今やパソコンや携帯電話、
自動車、太陽電池など幅広い分野へと広がっている。中国のレノボ社による米IBM社のパーソナル・コンピ
ューター事業の買収、台湾のアスーステック コンピューター社による自社ブランドでの海外進出、インド
のタタ・グループによる自動車分野への参入などは、まさにそれを象徴する出来事だろう。


 ただ、新興国のものづくりは基本的に「単品」であり、「マニュアル」や「オペレーション」で作れる製
品である。だから、結局はコスト勝負になる。製造装置はどこで買っても価格に大差はない。あとは土地や
人件費が安く、市場に近いところが有利になる。そこに、日本メーカーの未来は見いだせない。


 競合相手が欧米企業だったころと同じように、価格競争で新興国に挑むのは「自殺行為」に等しい。かつ
て日本が欧米企業を追い込んだように、間違いなく中国やインドに苦渋をなめさせられることになるだろう。


 日本がいま、挑むべきは新興国ではない。「コト」を武器とする欧州、「モノ+サービス」で覇権を広げ
る米国なのである。


商品詳細

発行元
日経BPコンサルティング
発行日
2010年12月18日
ISBN
9784901823562
ページ数
267
サイズ
レポート(A4)、未来年表、CD-ROM
原著者
田中栄