
未来予測レポート 自動車産業2011-2025
田中栄 著
220,000円
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内容紹介
昨年、中国が新車販売台数で世界ナンバーワンになったことが大きなニュースとして報じられた。
金融危機の影響で米国の新車販売台数が1000万台を割り込む一方で、中国は一気に1300万台を超え、
前年比で4割近く増加したのである。
それでも中国の自動車普及率は、先進国に比べればまだまだ低い。経済成長と歩調を合わせる
ように、これからも販売台数は伸び続けるだろう。成長著しいインドがこれに続く。もし、この
2カ国(約25億人)で欧米の約半分、すなわち100人当たり30台程度まで普及するとすれば、単純計
算で7.5億台(先進国なみの60台になると15億台)の自動車が販売されるということになる。耐久
年数を7~8年とすれば、年間で約1億台は必要になるということだ。
先進国の人口は、全部合わせても10億人に過ぎない。その先進国が6000万台の自動車生産台数
のほとんどを消費してきたのである。その構図が崩れ、その2.5倍の人口を抱える中国とインドで
本格的なモータリゼーションが起これば、その上乗せ分だけで1億台以上の需要が生まれてくるの
である。
それは自動車メーカーにとって朗報かもしれない。だが、それだけの変化にいまの自動車で対応
できるのだろうか。懸念はいくつもある。ガソリンは足りるのか、大気汚染が一層深刻になるので
は、CO2排出の問題はどうか・・・。そう考えていけば、エンジン車から電気自動車への移行は、
必然といえるだろう。ただ現実には、「インドや中国でそんなに急激に電気自動車が普及するはず
はない」との意見が少なくない。けれども、このような既得権者による希望的観測はいつも裏切ら
れてきた。携帯電話の例もある。つい10年前までは先進国の占有物ともいうべきものだったが、
2010年7月現在、その契約者数は50億人を超えたと報じられている。ユニークユーザー数は約40億
人と推計されており、今や世界の半数以上が携帯電話を持っていることになる。
もちろん携帯電話と自動車は違うものであり、単純に同列で比較することはできない。ただ、
ここで考えなければならないのは、急速な技術進歩と企業間競争の結果、価格が劇的に下がり、
それが飛躍的な普及につながったという流れである。その過程で部品の集積化が進み構造は単純
化し、端末に関してはいくつかの基幹部品さえ入手できれば、新興国が自ら生産することも容易
になった。これは、これから自動車分野で起ころうとしていることと変わりない。
「サスティナビリティ」という新しい流れの中で、社会全体が「クリーン・オール電化」に向
かうのは必然である。そのような新しい社会に対応するために、自動車の主役が「石油/エンジン」
から「電気/モーター」に変わるのは必然だ。この1点をもってしても、自動車メーカーがこれか
ら大胆な方向転換を迫られることになるのは明らかである。
商品詳細
- 発行元
- 日経BPコンサルティング
- 発行日
- 2010年12月18日
- ISBN
- 9784901823579
- ページ数
- 267
- サイズ
- レポート(A4)、未来年表、CD-ROM
- 原著者
- 田中栄