次世代エンジン2030EV超える七大潮流を徹底解説

日経Automotive 編 

33,000円

  • 全て税込み表示です

大変申し訳ございません、在庫切れもしくは完売・絶版となっております。

内容紹介

エンジンの未来を読み解く七大潮流を詳説
トヨタ・日産・ホンダ・マツダに加えて、ドイツ勢の動向を分析
電動化の主役になるハイブリッド技術も詳述

自動車技術の専門誌「日経Automotive」は継続してエンジン技術を取材し、報じてきました。本書は過去6年間に掲載したエンジンに関する記事を集大成したものです。

七つの技術テーマで構成しました。「希薄燃焼」「ライトサイジング」「可変圧縮比」「ストイキ改善」「低NOxディーゼル」「48Vハイブリッド」「樹脂化」です。今後10年のエンジン技術を見通す上で最も重要になる技術テーマで、本書では七大潮流と呼びました。Well-to-Wheel(1次エネルギーから車両まで)のCO2排出量で、電気自動車(EV)を上回るエンジンが実現するでしょう。

希薄燃焼(リーンバーン)は、2020年以降にガソリンエンジンでいよいよ主流になります。日系メーカー各社が最も力を入れている技術とも言えます。実現のカギは排ガスのNOx対策。各社は、NOxが発生しないくらいに薄い混合気を燃やす超希薄燃焼で解決します。超希薄な混合気を燃やす手法が、各社の競いどころです。

ライトサイジング(排気量の適正化)は、かねて主流だったダウンサイジングの揺り戻し。アップサイジング(大排気量化)とも呼べます。背景に、「実走行」を重んじる世界の流れがあります。実燃費とのかい離が大きい過去の試験法を是正する新しい試験法の導入に、エンジン側で対応する一つの解がライトサイジングです。

可変圧縮比は、CO2排出量削減と出力向上の両立を図る技術です。出力は、エンジンの商品価値を高める重要指標。一方で、ミラーサイクルや希薄燃焼などを採用すると、出力は犠牲になりがちです。難度が高かった圧縮比の可変化が、いよいよ始まります。

2030年の各社の主力はまだ、ストイキ燃焼のガソリンエンジンでしょう。安く造れるからです。成長の著しい新興国のように価格競争の厳しい地域で欠かせません。それでもCO2排出量の削減を進める改善が必要です。最近では、燃料改質といった新しい提案が登場してきました。

ディーゼルもなくなりません。フォルクスワーゲンによる排ガス不正問題が起きて以来、逆風が吹き荒れています。ただ厳しくなったNOx排出量規制をクリアする技術の芽が見えてきました。電動化によるハイブリッドの進化もディーゼル復活に一役買うはずです。

エンジン開発全体の競争力を底上げする材料革新や新製法も始まります。中でも注目を集めるのが樹脂化。軽量化に大きく貢献するでしょう。3Dプリンターによるエンジン開発手法も大きな可能性を秘めています。

本書は、エンジンの七大潮流を図版や写真を使いながら専門記者が分かりやすく解説しました。技術部門に加えて、商品・経営企画部門などによる新規参入の検討や投資の判断に役立ちます。

主な内容
【序章】熱効率50%への道筋
〔講座〕
ダウンサイジング終焉インタビュー
「不可能とは絶対に言わない ディーゼルもアップサイジング」
可変圧縮比の全貌平井インタビュー
「可変圧縮比で内燃機関とEVを融合 HCCIは日産の目指す方向ではない」
SKYACTIVインタビュー
「エンジン重視は“逆張り”ではない」

【第1章】究極は超希薄燃焼
超希薄燃焼エンジン実用化へ 電気自動車を上回る環境性能

【第2章】ダウンサイジングの是非
ダウンサイジング終焉 日本が切り崩す独エンジン牙城
〔解説〕
過給は可変か電動か
1.0Lターボエンジン
ホンダ、直噴ターボで欧州勢に挑む
〔レポート〕
4気筒でCO2減、6気筒と部品共用
3.0Lターボにライトサイジング
2流路の新ターボで圧縮比高める
2.0Lエンジンをショートストローク化

【第3章】可変化は圧縮比に及ぶ
可変圧縮比の全貌 日産が狙う発電エンジンへの布石
〔レポート〕
モーターとECUを分離、2割小型化
〔講座〕
可変バルブタイミング機構
可変バルブリフト機構

【第4章】ストイキでここまでやれる
〔解説〕
燃料改質エンジン 次世代の切り札へ
トヨタのガソリンエンジン 熱効率50%へ
〔レポート〕
熱効率41%の燃焼技術を共通化
ベンツがV6エンジン廃止
V6に過給ミラーサイクル、燃費も重視
ホンダがトヨタに追る新エンジンを開発
ロードスターRFの新エンジン
〔講座〕
ホンダ「NSX」用のエンジン(上/中/下)
コンロッドのないエンジン(上/下)

【第5章】あえてディーゼルに力
〔レポート〕
マツダはディーゼルに賭ける
VWのディーゼル戦略
ボッシュの新ディーゼル技術
ガソリンエンジンと基本設計を共通化
マツダが2.2Lディーゼルを改良、デンソーの最新ピエゾ噴射を採用
思想は2.2Lと同じ、ハードは異なる
トヨタの新ディーゼルエンジン
既存ディーゼルより熱効率20%向上
〔解説〕
VW排ガス不正の真相
〔講座〕
ディーゼルエンジン用噴射弁(上/下)

【第6章】電動化、今の主流はハイブリッド
打倒トヨタハイブリッド ホンダ・VW逆転へ
〔解説〕
e-POWERが風穴開ける
〔レポート〕
プリウス、燃費40km/L を達成へ 高い効率と小型化を徹底して追求
48V化で変わるHEV勢力図 2025年に1000万台市場へ
Daimler モジュラーエンジンの真打ち 48V対応直4 ガソリン、17 年秋量産
コスト下げてトヨタを猛追

【第7章】新材料、新製法はエンジンの足腰
〔解説〕
エンジン樹脂化 本命のブロック
〔講座〕
軽く安くする材料・加工技術
〔レポート〕
ダイハツ、3D プリンターで砂型造り 鉄部品の試作可能に
アルミと鋼を摩擦かくはん接合 触媒のロジウム使用量を半分に
エンジンの排熱で高効率発電
エンジン周辺部品を樹脂化 Al 合金より軽く、コストは同等

★書籍の内容を収録した「次世代エンジン2030【CD-ROM】」と、書籍とCD-ROMをセットにした「次世代エンジン2030セット」も同時発売!

商品詳細

発行元
日経BP社
発行日
2018年9月7日
ISBN
9784296100293
ページ数
248
サイズ
A4変
原著者
日経Automotive