本来、情報システム（ＩＴ）を導入する目的は、それを活用してビジネスモデルを革新し、競争力を強化する点にある。しかし、予想したほどの効果が得られないことが多い。ＩＴの実力を十分発揮できず、導入したシステムが「使われていない」または「使えない」ものとなっている企業は少なくない。
　このように、使われなくなったＩＴでも「再生」は可能である。本書では、その対策を含めて、「新しい情報システムを活用する」「投資効果を発揮する」ためのポイントを、実際のコンサルティング業務を通じて得た実例を交えて紹介する。企業価値を向上させるＩＴ投資には、ビジネスの変革をともなう。これは現在の仕事を変えるということであるから、当然、現場からの大きな抵抗がある。それだけに、経営者の積極的な関与は不可欠である。企業が改革を実現しＩＴ投資効果を享受するために必要な要素を分析し、ＩＴが本当の実力を発揮するためのキーポイントを６つにまとめた。「データ精度の向上」「チェンジマネジメント」「見える仕組みの構築」「推進段階と優先順位」「設計と定着化」「ＰＤＣＡサイクルの活用」である。

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