京都大学は、我が国最高峰の大学として高く評価されている。本書は、なかでも改革著しい工学部に焦点を当て、その魅力をあますことなく伝えるものである。京都大学工学部の最大の特徴は、数学、物理学、化学、生物学など自然科学分野の基礎研究をふまえ、これを応用し、私たちの身の回りの暮らしをより安全、快適に、かつ地球環境を守るための新技術を生み出すことにある。京都大学工学部は「工学は応用だけ」ではなく、その基礎となる理学的な立場を採るところから問題解決を図るのが最大の特徴であり、それこそが２つのノーベル賞に代表される独創的な研究成果と、幾多の優れた研究者、教育者を輩出してきた原動力となっている。本書では、工学部および大学院の学術成果や社会貢献の試みを紹介するのみならず、高校生、受験生、保護者、教育関係者、そいて企業人、社会人に向けて、京都大学工学部ではどのような教育、研究がなされているのか、さらには研究者自身の魅力に迫ることで、京都大学工学部の独自性を際立たせる。著名人による対談、インタビュー記事から、各学科の教育・研究内容、研究室紹介まで、充実した内容となっている。

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