FUKUSHIMAレポート~原発事故の本質~

FUKUSHIMAプロジェクト委員会 著 

990円

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内容紹介

福島第一原子力発電所の事故を、完全な第三者の立場から調査・分析し、そこから得られる教訓を後世に伝える。この目的で発足したのがFUKUSHIMAプロジェクトです。事故直後に企画が生まれ、2011年4月には委員会が発足しました。以降、9カ月に及ぶ活動の成果をまとめたのが本書です。その内容は、政府の事故調査・検証委員会が発表した中間報告書などとは大きく異なるものです。
 
本プロジェクトの大きな特徴は、活動資金の一部とレポート発行の費用全部を賛同者からの寄付金によってまかなっていることです。特定組織の意向や市場原理に左右されることのなく活動を進め、目的を達するための試みです。このため、委員は無給で活動を進め、書籍の印税も受け取りません。

FUKUSHIMAプロジェクトは以下の委員によって構成されています。
水野博之<大阪電気通信大学副理事長、松下電器産業元副社長>、山口栄一<同志社大学ITEC副センター長>、西村吉雄<早稲田大学 大学院政治学研究科客員教授>、河合 弘之<弁護士、さくら共同法律事務所パートナー>、飯尾俊二<東京工業大学原子炉工学研究所准教授>、仲森智博<日経BPコンサルティング チーフストラテジスト>、川口盛之助<アーサー・D・リトル(ジャパン)アソシエイト・ディレクター>、本田康二郎<同志社大学ITEC リサーチ・コーディネーター>

【目次】
第1章 メルトダウンを防げなかった本当の理由-福島第一原子力発電所事故の核心
1・1 はじめに─何かが見逃されている
1・2 事故は、どのように起こったか
1・3 1号機は、どのように制御不能になったか
1・4 3号機、次いで2号機は、どのように制御不能になったか
1・5 5月15日の豹変
1・6 日比野靖の証言
1・7 JR福知山線事故との類似性
1・8 何があきらかになり、何をあきらかにすべきか
1・9 おわりに─新しい曙光に向かって

第2章 3・11に至るまでの日本の原子力安全規制
─国はなぜ「全交流電源喪失を考慮する必要はない」としたのか
2・1 事故を防げなかった国の安全規制
2・2 すべて想定されていた
2・3 国策民営体制─責任の所在が不明確

第3章 日本の原子力政策─核兵器製造力とエネルギー自給を高速増殖炉に託す
3・1 核兵器製造のポテンシャルを保持する
3・2 高速増殖炉によるエネルギー自給に固執
3・3 核燃料サイクルと再処理
3・4 放射性廃棄物の処分
3・5 日本の原子力政策への提案

第4章 原発が地域にもたらしたもの
4・1 米国─中央─地方─ムラ
4・2 原子力は雇用増と所得増をもたらす
4・3 原発依存症─原発なしには、立ち行かない経済
4・4 原発立地─近年は既設発電所敷地内の増設が主流
4・5 放射能被害
4・6 これからの原子力政策と原発立地地域の今後

第5章 風評被害を考える
5・1 風評の恐ろしさ
5・2 各種メディアの取り上げ方
5・3 打ち手としてのWall of Shame(恥辱の壁)
5・4 「検証屋」機能のトライアル
5・5 別の可視化装置
5・6 総論としての日本論

第6章 電力事業における原子力発電の位置
6・1 そもそも発電コストパフォーマンス論
6・2 原子力発電のコスト
6・3 電気料金の決め方─総括原価方式
6・4 原子力損害賠償スキーム
6・5 発送配電分離
6・6 人口の減少とエネルギー需給

第7章 原発普及の今後
7・1 原発普及は先進国から新興国へ
7・2 原発の安全保障上の役割
7・3 新興国が電力の未来を決める

商品詳細

発行元
日経BPコンサルティング
発行日
2012年1月30日
ISBN
9784864430005
ページ数
504
サイズ
4-6
原著者
FUKUSHIMAプロジェクト委員会